泌尿器科の症状と疾患
男性の症状
尿の異常
尿が赤くなった(血尿)血尿とは、尿の通り道のどこからか出血を来たしている状態であり、目でみて分かるものから、見た目では分かりませんが検診などの尿検査で判明するものまであります。血尿の原因には、尿路感染症、尿路結石、尿路生殖器の悪性腫瘍および腎臓の内科的な病気など様々なものがあります。 尿が濁っている尿このにごりの原因は主に、(1)尿に含まれる塩類が結晶化している場合、(2)尿路に細菌感染をきたしている場合、(3)血尿がある場合、に分けられます。 排尿に時間がかかる排尿に時間がかかる病態としては、尿道での尿の通過障害がある場合や、膀胱がうまく収縮できない場合が考えられます。尿道の通過障害は前立腺肥大症や尿道狭窄などが原因と考えられ、一方、膀胱がうまく収縮できない場合は糖尿病等に合併する神経因性膀胱などが原因と考えられます。 残尿感がある残尿感とは排尿後も尿が残っているような感覚がある状態であり、排尿を行った後も実際に尿が膀胱にまだ残っている場合(残尿)と、実際には残尿はなく膀胱等の炎症、膀胱近くの尿路結石に伴って残尿感を認める場合があります。実際に残尿がある場合は前立腺肥大症や神経因性膀胱などが考えられ、残尿がなく炎症に伴う場合は、膀胱炎や前立腺炎等が考えられます。 尿の回数が多い1日におしっこにいく回数が8回以上ある場合は頻尿(尿の回数が多い)とされています。この原因としては、(1)おしっこした後にも膀胱の中に尿がたくさん残っている場合、(2)膀胱が過活動な状態、(3)1日の尿量が多い場合、(4)心因性、(5)尿路生殖器の炎症などが考えられます。 尿が出ない尿がまったく出ないという場合は、(1)膀胱にたまった尿を排尿しようと思っても出ない場合と、(2)腎臓の機能低下のために尿が造られなくなった場合、(3)腎臓に流れ込む血液が低下した場合が考えられます。 急いでトイレに行かないと間に合わない自分の意志に関わらず膀胱が勝手に収縮してしまう状態であり、尿失禁をきたしてしまうこともあります(尿の回数が多い②参照)。過活動膀胱と呼ばれる状態です。 排尿時に痛む男性の場合、排尿時の痛みは、尿道に炎症を来たすような尿道炎(おもに性行為感染症)、前立腺炎、また、尿道が狭い場合(尿道狭窄)などでみられます。 痛み•発熱などの症状
背中や脇腹が刺すように痛い尿管結石等に伴う尿路の通過障害を来たした場合に認められ、通常は片側のみに痛みがあり、しばしば血尿を伴います。 高い熱が出た泌尿器科領域で発熱を来たす疾患として、男性の場合、腎盂腎炎、急性細菌性前立腺炎および精巣上体炎があります。 男性更年期障害
男性更年期障害とは?精巣が産生する男性ホルモン(テストステロン)が中年期以降に低下し、性欲低下、発汗、ほてり、寝汗、疲労感、うつ状態等の症状を呈する状態です。加齢男性性腺機能低下(Late-Onset hypogonadism;LOH)症候群とも称されます。 |
男性器の異常
ペニスから膿が出る尿道口から膿が出るのは、外尿道口から侵入した病原菌が尿道の粘膜に感染して尿道炎を起こしているのが原因です。尿道炎は主に性行為によって起こり、クラミジアや淋菌が原因微生物であり性感染症に含まれます。 ペニスが赤い亀頭あるいは包皮の感染による亀頭包皮炎が考えられます。黄色ブドウ球菌や連鎖球菌などの細菌が包皮に感染することにより起こる病気です。細菌がたまりやすい包茎が要因になることもあれば性行為に伴って起こってくる場合もあります。 ペニスが腫れている多くは感染に伴うペニスの炎症が考えられます(ペニスが赤い参照)。また真性包茎がたまたま剥けてしまいペニスが首をくくったような状態になることもあります(嵌頓包茎)。 さらに、陰部打撲等による血管損傷により、勃起が6時間以上も継続することもあります。持続勃起症といわれており、この場合は早急な治療が必要です。 ペニスにブツブツができたペニスにできるブツブツには、主に尖圭コンジローマという性行為感染症が考えられます。痛みや痒みともありませんが、除去治療しない限り治ることはありません。 ただこれとは別に、陰茎亀頭のいわゆるカリ首(冠状溝)の周囲やカリ首の裏の筋(包皮小帯)の横に1列から数列に並んでできる粒状のものは、病的なものではなく特に問題ないことが多いです。 陰嚢がはれた陰嚢が腫れる場合、(1)睾丸(精巣)自体が腫れる場合と(2)まわりの組織が腫れる場合があります。まず(1)の疾患として睾丸(精巣)の腫瘍があります。青壮年期の男性に多くみられ、一般的には痛みを伴いません。次に②の疾患として陰嚢水腫や精巣上体炎などがあります。陰嚢水腫は痛みはありませんが、精巣上体炎では痛みに加え発熱等を伴っています。打撲に伴って腫れてきた場合は睾丸(精巣)の内出血や破裂による陰嚢内の血腫などが考えられます。 精巣(睾丸)が触れない睾丸(精巣)が触れない場合に考えられる疾患として停留精巣があげられます。精巣はおなかの中で発生し、胎児の時期におなかの中からソケイ部(足のつけね)を経由して陰嚢内へ下降してきます。出生時の男児において精巣の下降が不完全で陰嚢内に触知しない状態を停留精巣といい、片側あるいは両側とも触れない場合があります。 精液に血が混じった精のう・前立腺の炎症、局所の循環障害に加え、精子の通り道(精巣・精巣上体・精管・精のう・前立腺)の腫瘍、のう胞、結石などが挙げられます。 性感染症が心配
排尿時にいたむ排尿時の痛みは、尿道炎もっとも見られる症状です。同時に尿道から膿みが認められれば淋菌性尿道炎が疑われます。逆に膿みがなければ、クラミジアや、または淋菌クラミジア以外の微生物による尿道炎が疑われます。尿道炎は性感染症です。また、性感染症以外でも、通常の膀胱炎、前立腺炎でも排尿時の痛みを認めます。 尿道から膿みがでる淋菌性尿道炎では膿性の高い膿みを認めます。またやや透明に近い膿みの場合はクラミジア性尿道炎、および淋菌でもクラミジアでもない原因微生物の尿道炎が疑われます。尿道炎は性感染症です。同時に排尿時の痛みも認める場合が多いです。 ペニスにいぼができたペニスにカリフラワー様のいぼがあれば尖圭コンジローマが疑われます。尖圭コンジローマは性感染症です。その他、まれに陰茎に癌ができる事があります。 ペニスに潰瘍ができた水疱のあとに浅い潰瘍ができれば、性器ヘルペスが疑われます。固い丘疹のあとに潰瘍と鼠径部リンパ節の腫れがあれば、梅毒による硬性下疳が疑われます。潰瘍の痛みが強ければ軟性下疳が疑われます。これらはいずれも性感染症です。また、性感染症以外にも、接触性皮膚炎などペニスに潰瘍を来す病気があります。 男性不妊症
不妊症とは【不妊症とは】
生殖年齢の男女が妊娠を希望し,ある一定期間(1年間),避妊することなく通常の性交を継続的に行っているにもかかわらず、妊娠の成立をみない場合を不妊症といいます。 |
執筆協力者:県立尼崎総合医療センター 山田裕二
神戸大学 福田輝雄、中野雄造
北播磨総合医療センター 田中一志