こんな症状があったら

こんな症状があったら

泌尿器科の症状と疾患


腎癌(腎細胞癌)
腎臓はそら豆の様な形をしており、背中に左右1対ある臓器です。主な働きは、血液を濾過して尿を作ります。その他、血圧を保つホルモンや、赤血球をつくるホルモンも作り出しています。 腎臓は尿を作る部分(腎実質)と尿が流れる部分(腎盂)とに分かれますが、腎細胞がんは、腎実質から発生するがんのことです。腎臓に画像検査などで腫瘍が認められた場合は大半が悪性(がん)であり、腎がんを念頭に置いた治療計画が必要になります。

原因・症状

腎がんは喫煙や肥満が原因とされています。約80%の腎がんは症状がなく、CTや超音波検査などの画像診断で偶然発見されます。このようながんを偶発がんと呼びますが、手術で完全に切除できれば比較的予後は良好です。一方、古典的三大症状(血尿、腹部腫瘤、側腹部痛)から発見される腎細胞がんは、非常に進行しており、転移を伴う進行がんであることが多く、予後も悪いとされています。

診断

ほとんどの腎がんが超音波検査、CT、MRIなどの画像で診断ができます(腎がんには腫瘍マーカーは存在しません)が、良性腫瘍との鑑別が難しいこともあります。画像での診断が困難な場合は生検(針で組織を採取して調べること)で診断をする場合があります。

治療方法

(1)手術療法
 小さな癌であれば腎部分切除(がんの部分だけを切り取り、腎臓を温存する手術)の対象となりますが、大きながんでは、腎臓を全て摘出する必要があります。以前は開放手術が多かったですが、近年は腹腔鏡下手術を行うことが多いです。部分切除術は内視鏡手術支援ロボット「ダビンチ」による腹腔鏡手術を行う施設もあります。 

(2)温存療法
 手術だけではなく凍結療法やラジオ波凝固療法(アブレーション治療)を行う場合もあります。アブレーション治療とは、腫瘍に治療用針を直接差し入れて、熱したり急速に凍らしたりすることで治療する方法です。

(3)薬物療法
 肺や骨に転移があって切除が難しい場合には、免疫チェックポイント阻害薬を用いた複合免疫療法や分子標的薬による薬物療法を行います。

 
このページの先頭へ