こんな症状があったら

こんな症状があったら

泌尿器科の症状と疾患


性行為感染症
性行為によって伝播される感染症を称して性感染症と呼びます。泌尿器科ではおもに男性の性感染症を治療します。
性感染症はコロナウイルス感染症の流行があっても、尚、増加傾向の感染症です。特に最近は梅毒の急増が社会問題となってきています。
また、昨今、インターネットにて性感染症自己診断キットが流通していますが、特にクラミジアや梅毒は検査にて必ず陽性がでる訳ではありませんので、何か心配な症状がある場合は自己で診断せず、必ず泌尿器科専門医を受診することをお勧めします。 男性の主な性感染症は以下に列記します。

(1)尿道炎
排尿時の痛みや違和感を伴います。以前は淋菌、クラミジアが原因となることがほとんどですが、最近はマイコプラズマ・ジェニタリウムによる尿道炎の増加が問題となっています。マイコプラズマ・ジェニタリウムは抗菌薬が効きにくいという特徴があり、治療に難渋することがあります。また、その他にもウレアプラズマ尿道炎やアデノウイルス尿道炎などがあり、尿道炎の診断・治療は年々複雑化しています。
性感染症にかかるリスクのある性行為後に排尿時の症状が出現した場合は、必ず泌尿器科専門医を受診しましょう。

(2)梅毒 
急速に増加傾向の感染症です。
男性では性器に硬結(かたい出来物)や潰瘍が出現します。多くは痛みを伴いませんが痛みを伴うこともまれではありません。
現在のところ、梅毒の診断は血液検査による梅毒反応の上昇を確認するしか方法がありません。しかし感染後間もない早期梅毒では血液検査による梅毒反応が上昇しないことが多いです。ですから、梅毒の診断は視診が最も重要です。梅毒を疑う症状があれば、必ず泌尿器科専門医を受診しましょう。
梅毒は抗菌薬(ペニシリン系)を1ヶ月内服することにより完治する病気です。恐れず早めに受診をしましょう。

(3)性器ヘルペス
性器に水泡や潰瘍ができ、通常強い痛みを伴います。梅毒との鑑別が重要ですが、迅速抗原検査キットにて診断ができます。
治療は抗ウイルス薬を内服することにより1-2週間で完治します。
しかし、性器ヘルペスは再発が一番の問題となります。一旦ヘルペスウイルス性器に感染するとこれを除去することは不可能で、一生潜んでいることになります。体の免疫が落ちた時に再度発症することがあり、これを再発といい多い人では月に1回再発する場合もあります。再発の頻度が多い場合は、再発抑制療法を行います。

(4)尖圭コンジローマ
性器にカリフラワーのようなイボができる疾患です。痛みは伴いません。HPVウイルスによる感染が原因です。診断は視診のみで、検査はできません。
内服による治療はなく、クリームによる治療もしくは外科的切除が必要になります。
尖圭コンジローマも再発が問題となります。性器ヘルペスと違い、内服での治療もなく再発抑制治療もありませんので、非常にストレスのかかる性感染症といわれます。
尖圭コンジローマは男性の性感染症で唯一ワクチンにて予防が可能な疾患です。HPVワクチンを接種することにより、高い予防効果が示されています。(本邦ではまだ男性に対するHPVワクチン接種は公費補助がなく、自費治療になります。)

 
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